き み と
二人で 歩く 駅前。


遊園地 も 動物園 も
中途半端に遠い

私たちの 住む街。


駅前のお店を
二人でぶらぶら見て回る。


アオイ君 は私が飽きないように
たくさん話をしてくれた。






透さんは アオイ君 は 私の


『 彼氏 』


と 言った。


アオイ君 は 嫌いじゃない。



だけど 彼氏 って 何 ?




友達より 大切なもの?

親戚より 大切なもの?

家族より 大切なもの?




そうだとしたら アオイ君は




私の 彼氏 じゃ ない。





アオイ君は 私にとって



学校の後輩 で


いい子 で


私を 好き と言ってくれる子 で




でも、それだけ。



確かに 一緒にいると 楽しい。

でも 私は まだ たぶん

この人がいなくても 大丈夫。





彼は それで いい と

それだけで いい と


言ってくれるだろうか。






私は こんな気持ちで

彼の隣にいても いいのだろうか。







「先輩?」



いきなり話しかけられて
私の鼓動が 速くなった。



「そろそろ飯食いませんか?」
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