き み と
「俺の妹、今年小学生なんですよ。」
二人で ファーストフード店の
カウンター風の席に 並んで 座る。
ふと 彼 が振った話題だった。
「俺よりずっと賢くて、顔も可愛いし……妹に全部偏っちゃったみたいなんですよね。」
彼 は幸せそうに話す。
「本当に可愛いんです!今度絶対先輩に会わせますね。」
「よっぽど…好き、なんだね…?」
「はい!すごい好きです!」
彼 はそう言った すぐ 後に
後悔するように 顔を赤くして
ちら っと私の方を 見た。
「引き…ましたか…?」
「ううん……全然。
逆に……うらやましい…。」
「兄弟とか、いないんですか?」
「………うん。誰も……いない…。」
「……誰も?」
彼に 話す………?
「先輩?」
私 だめ。
巻き込めない よ 。
「…そろそろ…出ない…?」
私は 並んでいるお客さんを指さして
不自然にならないように 言った。
「―――はいっ。」
アオイ君は
何か言いたそう な顔をしたけど
いつも通りの 笑顔 になってくれる。
私は これで 合ってる?
大切な人 が 増えると
それだけ
わたしが
重荷に なる から 。