き み と
「柊君、そろそろ美術室閉めるけど、君はどうする?」
林田先生が 遙香ちゃんの後ろから
顔を覗かせた。
「……今日中に……でかしたい……です。」
「そうか…じゃあ美術準備室でいいかな?」
「………ありがとう、ございます。」
「じゃあ最高でも8時…いや、7時半までは学校を出るようにしなさい。鍵は預けておくから、職員室の残っている先生に渡して、ね。」
「私もそれまで残りたいんだけどさ、今日は用事があって…。」
「いいよ。……大丈夫。」
「あんまり遅くならないようにね。じゃあ…ばいばい。」
「さようなら」
そう言って 2人は
美術室を 後にした。
それから、絵と道具を
隣の部屋へ移動させる。
赤く染まる 狭い 準備室。
「………よし。」
私は また 自分の世界に 堕ちた。
私にも まだ わからない 絵
黄色
オレンジ
青
水色
赤
こころ の いろ