き み と
05 ふ た り

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暗い 底にいる。




これ以上 下は もう ない。





だから 堕ちることはない。




だけど ここから でたい。






もがいても


もがいても




触れるものは なにもない。






暗闇は 怖くない




だけど







独りは いや。






私を 独りに しないで。






闇に 消えてしまいそうで





必死に 手探りで




何かを 探す。






たすけて だれか









のどから しぼりあげる。









ふと





それに 答えるような






ひとすじの ひかりが





やのように 私を さす






私の しんぞうを






わたしの こころを








……あった…か…い……。









これは きっと たいよう。













たいようが なくちゃ









きっと











わたしは いま いない。
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