き み と
突然すぎて、目を見開く。
心臓が止まるかと思った。
それは
俺が、待ち望んでいた、姿。
「………先輩………。」
先輩も驚いたようで
固まったように動かない。
「陽奈!ひーなー!」
「あ!……う……あ……。」
遥香さんに呼ばれて、
意識を取り戻し、
今度はあたふたしている。
その姿が可愛すぎて、
笑いをこらえるのに必死になる。
と、そんな先輩と目が合った。
そして、次の瞬間
先輩は走り出した。
「〜〜〜〜〜〜〜〜!」
俺をすり抜けて、
小さく何かを叫びながら。
「………陽奈!?」
残された俺と遥香さんは当然驚く。
「……あはは…はは…。」
「うん…恥ずかしがってる…だけ…だよ…!」
「まぁ…覚悟は…してましたけど…ね。」
俺たちは顔を見合わせて苦笑い。
先輩は…俺の話を聞いてくれるのだろうか……。
一抹の不安が俺の頭をよぎった。