き み と

放課後―――。



今日は 掃除が無くて

2階の職員室に 寄った 帰り。




階段の近くの 廊下で
ふと 窓を見ると



その 下にいた姿に



私は 目を 奪われた。







「あ………。」





無意識に 声が 出る。



上から見ないと 見れないような
影になっている所に



アオイ君 と あの女の子


あのとき トイレで会った。




彼らは向かい合って 話をしている。




何を言っているかは わからない。








何か もやもや する。








その場から 動けない 私。





そのまま 見つめていると

女の子が 彼に 近づいた。







そして 彼の肩に 頭を埋める。





…嫌……。






その頭に 乗せられた 彼の 手。








…や………嫌………。







怒り では ない 。





「…嫌……だ……。」





心臓が 握りつぶされるように 痛い。





苦しい…………。






やめて……。






私じゃ無い 子に




そんなこと しちゃ 嫌だ……





「…痛い……痛いよ………。」






もう 見たくなかった。





その場から 走り去る。




涙も 拭わない。






そして 誰もいない教室について


ドアに寄りかかって




独りで 泣いた。







彼に 隣に いてほしい




私だけの 隣に










何だか もう だめ だった。
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