会いたかったはずの君
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梅雨のジメジメした気候のせいか、だらだらとした雰囲気が漂うこの教室。
それが担任の三木根先生(ミキネ先生)のある一言で一気に吹き飛んだ。
「これから席替えをすんぞー」
小学5年生になってから初めての席替え。
今回の席替えは私達5年生にとって、ものすごく大事だ。
何故なら...
「今回の席替えで決まった班は、今度行く旅行の行動班になるからな!」
そうなのだ。
席替えで決まった班は、学校生活の生活班になるだけではなく、今度一泊二日で泊まりに行く行動班にもなる。
だから私は願っているのです。
「どうか、ちーちゃんと一緒の班になりますように...!!」
ちーちゃんこと安田 千春(ヤスダチハル)は、近所に住んでいる女の子だ。
家が近いので、昔からよくお互いの家に遊びに行っていた。
こういうのは所謂、幼馴染みってやつかな?
お願いです!
ちーちゃんとだけは一緒にしてくれー!!
手のひらと手のひらを合わせ、どこにいるかわからない神様に必死に頼み込む。
「六番目の列取りに来い」
そんな中、私達の最後の列が呼ばれた。
このクラスの席替えはくじ制らしい。
廊下側の列から順に引いていく。
ちーちゃんは真ん中の列なので、何処だったか聞いてみた。
すると15番、後ろから二番目の窓際の列ということがわかった。
ちなみに、今私が座っているところ。
ということは、16番か14番を引けば、ちーちゃんと同じ班になれるってことだ。