甘いのくださいっ!*香澄編追加しました*
「なに?徹夜明け?
それにしても酷い顔ね。
朝御飯もまだなんでしょ?
なんか、胃にやさしいものでも
作ろっか?」
店にいくと開店前の仕込みをしていた
ユズが俺の顔を見るなり
心配顔で言った。
「さんきゅっ、何か軽いの頼むわ。」
俺はそう言うと調理場に一番近い
テーブル席に座り突っ伏した。
「そう、この前はほんとありがとね。」
ユズが熱いおしぼりとお茶をそっと
置いてくれるのが分かる。
「サトルや坂下くん、それに胡桃ちゃんまで
巻き込んじゃって……。
だけど、本当に嬉しかった。
今の私にはこの店しかないから……。
あのまま、この店を無くしていたら……。
本当にありがとうね。」
「あれは、ほとんど坂下の手柄だよ。
まさか、あいつんちがあんなだとは
知らなかったし。
まぁ、いいんじゃね?丸く収まって。」
「丸くは収まってないでしょ?」
「はぁ?」
「どうすんのよ、胡桃ちゃんのこと。
好きなんでしょ?」
と、だけ言うと調理場へと
行ってしまった。
取り敢えず、側にあったおしぼりで
瞼を押さえ、そして一口
熱いお茶を飲んだ。
相変わらず、ユズの淹れるお茶は旨い。
それもその筈。
ユズの親父は有名な茶道の家元。
ユズはその親父に茶道の作法を
一通り仕込まれているからだ。
ユズはもしかしたら
今頃、次期師範代として
あの家で茶の道を
極めていたのかもしれない。
そうユズを邪魔者扱いし、
最終的に追い出した
あの家でーーー。
それにしても酷い顔ね。
朝御飯もまだなんでしょ?
なんか、胃にやさしいものでも
作ろっか?」
店にいくと開店前の仕込みをしていた
ユズが俺の顔を見るなり
心配顔で言った。
「さんきゅっ、何か軽いの頼むわ。」
俺はそう言うと調理場に一番近い
テーブル席に座り突っ伏した。
「そう、この前はほんとありがとね。」
ユズが熱いおしぼりとお茶をそっと
置いてくれるのが分かる。
「サトルや坂下くん、それに胡桃ちゃんまで
巻き込んじゃって……。
だけど、本当に嬉しかった。
今の私にはこの店しかないから……。
あのまま、この店を無くしていたら……。
本当にありがとうね。」
「あれは、ほとんど坂下の手柄だよ。
まさか、あいつんちがあんなだとは
知らなかったし。
まぁ、いいんじゃね?丸く収まって。」
「丸くは収まってないでしょ?」
「はぁ?」
「どうすんのよ、胡桃ちゃんのこと。
好きなんでしょ?」
と、だけ言うと調理場へと
行ってしまった。
取り敢えず、側にあったおしぼりで
瞼を押さえ、そして一口
熱いお茶を飲んだ。
相変わらず、ユズの淹れるお茶は旨い。
それもその筈。
ユズの親父は有名な茶道の家元。
ユズはその親父に茶道の作法を
一通り仕込まれているからだ。
ユズはもしかしたら
今頃、次期師範代として
あの家で茶の道を
極めていたのかもしれない。
そうユズを邪魔者扱いし、
最終的に追い出した
あの家でーーー。