甘いのくださいっ!*香澄編追加しました*
「どうもさ、BARだと並んで座るだろ?
その癖でついね。」


悪いとも何とも思わぬ顔で
シレッとお蕎麦をすすりだす。


私と坂下さんがどういう関係かと
聞かれれば


時々、
一緒に飲みに行く関係だ。


だからと言って私達に
男女のそれはない。


そう、ただ一緒に
飲みに行くだけの関係。


それ以上のことは無いし
こっちも、恐らく向こうも
それ以上を望むこともない。


そもそも、きっかけは何だったか……。


確か、
坂下さんが胡桃と和菓子職人が
本当に上手くいってるのか
知りたいとかなんとか……。


でまぁ、坂下さんのお友達が
経営するBARに連れていって貰って
私とBARのマスターが
意気投合しちゃったもんだから
ちょくちょく、
行くようになったんだっけ?


「ねぇ、春川さん。
今度の連休、何か、予定ある?」


「連休?」


「そっ、例のダチがさぁ
BBQでもやらないかって。
何人か集まっていつもワイワイと
やるんだけど、今回
春川さんもどうかなぁって。」


「BBQ……良いですよ。
久しくしていないし。」


「そっ、そりゃ良かった。
じゃ詳しいこと決まったらまた
連絡するよ。」


とは言うものの…
ぶっちゃけ
外で食べるのとか苦手なんだけどなぁ…。
虫とかいるしさぁ。


まっ、いっか。
今年の連休は胡桃とも遊びに行けないし
特に予定とかないんだよね。


「分かりました。
じゃ、連絡待ってます。」


私は坂下さんにそう言うと
トレイを片付け社食を後にした。








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