甘いのくださいっ!*香澄編追加しました*
えっと………住所だとこの辺り……


「ここ?」


あれからBARのマスターに電話して坂下さんの住むマンションの住所を聞いた。


やっぱり、あんな状態の人をほっとけないよ。


BARのマスターは


「香澄ちゃんが行ってくれるなら安心だよ。あいつ、結構、無理するからね。」


と、言いながら快く坂下さんのマンションの住所を教えてくれた。


っで、来たのはいいけれどーーーー


忘れてた。


坂下さんってボンボンだったんだよね。


私は目の前に聳え立つタワーマンションを前にただ、立ちすくんでいた。


私ってば何も考えず来たけど……


中に入れて貰えるのかな?


てゆーか、
坂下さんのことだから看病してくれる健気な女子の一人や二人や三人四人………


えっと、、、


取り敢えず、恐ろしく立派なエントランスに入ると、やはり立派なマンションだけあってコンシェルジュらしき人がいた。


エントランスに設けられたカウンターからにこやかな顔でこちらに目線をくれるコンシェルジュに声を掛けようとしたら……


「えっ……な、んでゲホゲホッ」


なんと、坂下さんがエレベータホールの方からやって来た。


「坂下さんっ、出歩いて大丈夫なの?」


駆け寄ると


「大丈夫じゃーーーない……」


その場に座り込んでしまった。


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