甘いのくださいっ!*香澄編追加しました*
窓の外には夕日が落ち始め、ゆっくりと夜の景色へと移り始めていた。


「んん〜、うっかり、ウトウトしちゃった。」


ソファの座り心地が良くて少し眠ってたみたい。


ん?


膝に無性に感じるこの重みは………。


「なに、してんですかっ!」


坂下さんは私の膝に頭を置いて眠っていた。


「ぅ、うん………、喉乾いちゃって。冷蔵庫にあったの飲んだ。」


「ああ、ポカリ買ってきておいたので、それは良かったですーーーじゃなくて!ちゃんとベッドで寝てくださいっ。」


「ん、ん……いいじゃん、ちょっとくらい。
春川さんのここ、気持ちいい……。」


と、また眠りに落ちる坂下さん。


いやいや、ダメでしょ?
毛布も無いのにーーー
っていうかその前に膝枕とかって……。


「坂下さん、やっぱりダメですよ。ほら、まだ熱ありそうだし、寝室で寝なきゃ治らない。」


「ダメ……?」


うっ………、な、なんなの。
この子犬のような目は。
ちょっと、可愛いじゃない。


イヤイヤイヤイヤ………。


「ダメなものはダメ…。ほら、立って。」


グダグダの坂下さんを何とか寝室に歩かせる。


重いなぁ……、私もそんなにチビではないけど
180近くある坂下さんの体が肩にのしかかるとさすがに…………キツい。






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