甘いのくださいっ!*香澄編追加しました*
「いらっしゃいっ。
あれ、今日はお連れとかい?」
「まぁね」と、言いながら坂下さんが
テーブル席ではなくカウンター席へと
案内してくれた。
さっきの場所からはそんなに
離れていない定食屋さんにやって来た。
坂下さんの行きつけらしい。
「胡桃ちゃん、何がいい?
何でも美味しいよ。」
言われて店内を見渡すものの、
壁中に貼られたお品書きの数に
圧倒されて中々決められないでいると
「胡桃ちゃん、好き嫌いなかったっけ?」
「はい、大丈夫です。」
「なら、良かった。
おばさん、いつもの2つね。」
暫くして出てきたのは
味噌鯖定食だった。
「わっ、美味しそう。」
「鯖、食べてみてよ。」
と、坂下さん。
「いただきます」と、
手を合わせて言ってから
早速、お味噌がたっぷりと掛かっている
鯖にお箸を入れる。
そして一口。
身がふっくらとしていて
味噌の加減がしつこくなくて
「うぅ~ん、ご飯が進んじゃう。」
「でしょ?赤味噌と白味噌を
ブレンドしているんだけど
その加減が絶品なんだよね。
それにこの店はご飯のお代わり
自由だからね。じゃんじゃん食べなよ。」
「じゃんじゃんって……。」
「そうだよ、俊なんか
毎回、大盛り二杯は食べていたよ。」
と、定食屋のおばさんがお茶を
いれながら言うと
「それ、もう随分昔の話だろ?
止めてよ。さっ、胡桃ちゃん食べよう。」
「おやまぁ、女の子の前だと
随分と気取ってんだね。
昔なんか休みの日だったりすると
ぼっさぼさの寝癖頭にジャージ姿で
食べに来てだだろ?」
「もう、マジで止めてって。
胡桃ちゃん冷めないうちに食べよう。
おばさんも忙しいんだろ?
早く奥に行きなよ。」
「はい、はい、邪魔物は消えますよ。
どうぞ、ごゆっくりね。」というとおばさんは
カウンターの中へと入っていった。
「坂下さんは昔からここに
来ているんですか?」
「ああ、昔から来てる。
ったく、ペラペラとよく喋るよな。」
「昔って?」
「実はさ、大学の頃、
この近くで住んでいたんだ。
ほら、実家から通うには遠くてさ。」
「そうなんですか。」
「それに美術系の大学行ってたから
ひたすら課題提出に追われる日々でさ。
休みの前の日なんか、徹夜で作業するから
昼近くまで寝て、起きてそのままの
格好でこの店に来てたんだ。」
「ああ、だからジャージに寝癖。
なんか、今の坂下さんからは
想像つきませんね。ん?
って言うことはサトルさんも……?」
「そう。同じ学科だよ。
サトルさんは真面目にやってるように
見えないのに結構、優秀でさ。
学生の頃から賞とか獲ってたよ。
それでまぁ、うちの会社の
デザイン部に入ったと言うわけ。」
「そうなんですか。
あれ、でも坂下さんは今、
営業部ですよね?
デザイン部には入らなかったんですか?」
「いたよ。サトルさんがうちの会社
辞めるまでね。さっ、混んできたし
食べてしまおう。」
それっきり、その話はすることなく
食べ終わると店を後にした。
あれ、今日はお連れとかい?」
「まぁね」と、言いながら坂下さんが
テーブル席ではなくカウンター席へと
案内してくれた。
さっきの場所からはそんなに
離れていない定食屋さんにやって来た。
坂下さんの行きつけらしい。
「胡桃ちゃん、何がいい?
何でも美味しいよ。」
言われて店内を見渡すものの、
壁中に貼られたお品書きの数に
圧倒されて中々決められないでいると
「胡桃ちゃん、好き嫌いなかったっけ?」
「はい、大丈夫です。」
「なら、良かった。
おばさん、いつもの2つね。」
暫くして出てきたのは
味噌鯖定食だった。
「わっ、美味しそう。」
「鯖、食べてみてよ。」
と、坂下さん。
「いただきます」と、
手を合わせて言ってから
早速、お味噌がたっぷりと掛かっている
鯖にお箸を入れる。
そして一口。
身がふっくらとしていて
味噌の加減がしつこくなくて
「うぅ~ん、ご飯が進んじゃう。」
「でしょ?赤味噌と白味噌を
ブレンドしているんだけど
その加減が絶品なんだよね。
それにこの店はご飯のお代わり
自由だからね。じゃんじゃん食べなよ。」
「じゃんじゃんって……。」
「そうだよ、俊なんか
毎回、大盛り二杯は食べていたよ。」
と、定食屋のおばさんがお茶を
いれながら言うと
「それ、もう随分昔の話だろ?
止めてよ。さっ、胡桃ちゃん食べよう。」
「おやまぁ、女の子の前だと
随分と気取ってんだね。
昔なんか休みの日だったりすると
ぼっさぼさの寝癖頭にジャージ姿で
食べに来てだだろ?」
「もう、マジで止めてって。
胡桃ちゃん冷めないうちに食べよう。
おばさんも忙しいんだろ?
早く奥に行きなよ。」
「はい、はい、邪魔物は消えますよ。
どうぞ、ごゆっくりね。」というとおばさんは
カウンターの中へと入っていった。
「坂下さんは昔からここに
来ているんですか?」
「ああ、昔から来てる。
ったく、ペラペラとよく喋るよな。」
「昔って?」
「実はさ、大学の頃、
この近くで住んでいたんだ。
ほら、実家から通うには遠くてさ。」
「そうなんですか。」
「それに美術系の大学行ってたから
ひたすら課題提出に追われる日々でさ。
休みの前の日なんか、徹夜で作業するから
昼近くまで寝て、起きてそのままの
格好でこの店に来てたんだ。」
「ああ、だからジャージに寝癖。
なんか、今の坂下さんからは
想像つきませんね。ん?
って言うことはサトルさんも……?」
「そう。同じ学科だよ。
サトルさんは真面目にやってるように
見えないのに結構、優秀でさ。
学生の頃から賞とか獲ってたよ。
それでまぁ、うちの会社の
デザイン部に入ったと言うわけ。」
「そうなんですか。
あれ、でも坂下さんは今、
営業部ですよね?
デザイン部には入らなかったんですか?」
「いたよ。サトルさんがうちの会社
辞めるまでね。さっ、混んできたし
食べてしまおう。」
それっきり、その話はすることなく
食べ終わると店を後にした。