幸せの神様。
「また、けーな(おいで)」



沢山の人から見送られる俺たち



「せっかくの夏休みに何もないとこ来て、失敗したなって思ったけど…来て良かった。」



隣で幸さんに手を振りながら倖がボソッと呟いた



何も言わないで…ただ船から港を見ていた



真っ黒に日焼けした燿は、笑って奥さんの手を握っている



「またねー」



ニコニコして子どもを抱き締めるその表情は、ちゃんと



“お父さん”



に見えた
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