幸せの神様。
「萩(はぎ)が怖いからよねー」



萩は親父の名前、萩乃って名前だけど、母さんは俺が物心ついた頃も萩と呼んでいて、小学校に上がるまで、俺も親父を萩と呼んでいた



キッチンで料理をしていた母さんがパタパタと駆け寄ってきてルイを抱き締めた




「李実さん…苦しい…です」



本当は恥ずかしいんだろうな



そう思いながら、俺が母さんを引き離した



「帰って来る時くらい連絡したら?」



「萩が急にお休み貰えたって言うから」



「来ちゃった」



と無表情で親父が言った



可愛くねぇ…



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