幸せの神様。
ふすまの開いた音はしたけど出て行く音は聞こえてこない



不思議に思って少しだけ布団から顔を出すと



「やっともぐらが出てきた」



優しく微笑む凪



ウソ…



「雪…が」



「来んの、大変だった」



クシャクシャと頭を撫でる



それが嬉しくて



笑った



それから、少しだけ凪の表情が歪んだ



「凪…?」



「ルイ…明日、引越だって」



苦しそうに告げる凪



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