幸せの神様。
彼女はしばらく目を閉じたまま、黙っていた。



海も山も俺にも、均等に月の光は降り注いでいる筈なのに



彼女は格段に光って見えた…



まるで月が、特別に扱っているみたいに



「……見ない顔やね、もしかして…あの男の友達?」




目を閉じて穏やかな表情をしていたと思ったら、突然眉間に皺を寄せて俺に聞いてきた



にゃー



「ヒルネには聞いとらん」



「猫と会話ができるの?」



「質問に答えて」



“うん”と、返事をしたら、噛みつかれるんじゃないかと思う位詰め寄られた



「…そうだよ」


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