*短編集*
嫉妬大作戦っ!
私、中村夏海(ナカムラ ナツミ)には悩みがあります。
それは…
彼氏の梶山颯(カジヤマ ソウ)の事です!!
何を悩んでるかというと、颯は優しすぎて
私よりも友達とかを優先しちゃったり。
まだ、男の子の友達なら許せるけど…女の子の友達まで優先しちゃって。
嫉妬しちゃうんです。
ほらね、今だって。
「夏海ー…、ごめんっ!
葵ちゃんと弁当食べるから、友達と食べてくれる…?」
「また?」
「うん…ごめんね?」
そんな顔をされたら、断る方がバカだと思う。
「いいよ…
明日は一緒に食べようね?」
「うん!」
そう言って、走って葵ちゃんの所へ行ってしまった。
…なんか、私じゃなくて葵ちゃんが彼女みたい。
「はぁ…」
自然とため息が出てくるよ…。
「夏海ちゃんっ!」
そう呼んできたのは
「…嶺」
男子なのに、女の私より女子力が高い加藤嶺(カトウ レイ)。
「また、嫉妬してるのー?」
嶺は、私の悩みも知っている。
「…うん」
「それにしてもさー、颯はホントに優しすぎだよねー」
「そこが好きなんだけどね…。
ここまで、人思いだとは思わなかった」
「うん。
でも、彼女置いて他の女の子と弁当食べるっておかしいでしょ」
「…うん。」
「夏海ちゃんだけ嫉妬してたら、損だよっ!」
「……え?」
「よしっ!
こーなったら、颯にも嫉妬してもらおう!!」
…はい?
「…何を言ってるの?」
「だーかーらっ!
颯にも嫉妬してもらうのっ!」
「えー!!」
「だって、颯にも同じ気持ちさせたいと思わない!?」
…確かに。
「嫉妬大作戦…
よし!やろう!」
「そーこなくっちゃ!!」