幸せの天秤
こういう情報はすぐに広まる。

きっと、依頼が少なくなるに違いない。

なんか、もうどうでも良くなって来た、、、。



「どうするのよ」(英語)

マリアは東条に食って掛かる。

「悪いな、レンリ」


東条さんがあたしに謝る。

過ぎてしまったことを今更、東条さんの力じゃどうにもならないことだ。

それにここは、大手の会社。

コンクールの作品が盗作でしたなんて、発表できないだろう。

今回のことは会社の力で、もみ消されるに違いない。


[帰ろう、、、祐太くん]


あたしは何も言わずに部署を出た。

祐太くんはあたしの腕を掴む。


[これで良いんですか?]

[良いも何も、どうしようもないことなんだよ。
うちみたいな小さい事務所が騒いだところで何も変わらない]


それ以上、祐太くんも何も言わなかった。





それから数週間がたった頃には、「レンリ アオヤマ、盗作疑惑」と
TVや新聞、ネットで騒がれた。

あたしもここまで大きくなると思っていなかった。

事務所には記者の人で仕事どころじゃなくなった。

とりあえず、祐太くんのことは東条さんにお願いした。

祐太くんの才能をこんなことで潰したくはない。

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