幸せの天秤
4年後
日本に居る以上、建築関係から離れざる終えなかった、、、。

盗作疑惑がある人間を雇ってくれるところもなければ、
その業界で生きることすら、あたしには許されない。

資格と呼べるようなものを持っていない
26歳のあたしが生きていくには女を仕事にするしかなった。


26歳なんてそっちの業界ではギリギリで、
それでも生きていくために必死で自分を殺した。



いつの間に4年の月日が過ぎた。

この4年どうやって生きてきたのかわからない。


わかることは、あたしは人としては生きていなかった。

ただのお人形として生きていた。



「レイ、今月分だ」

男はまだベットで寝ているあたしに札束を渡す。


「毎月、こんなにいいのに」

「気にするな、お前にはそれだけの価値がある」

そう言い、男はキスをして出て行った。


どこだかの会社の社長で、毎月あたしを買ってくれる。

今のあたしはレンリじゃなく、レイ。

こっちの業界じゃ、本名を使う人なんてほとんど居ない。


あたしの客は彼を合わせて、5人居る。

みんな50代ぐらいで、家族だって居るのに
働いた金で、毎月あたしを買ってくれる。

あたしは、彼らのアクセサリーにしか過ぎないのだろう。

会社のパーティーや外を歩く時に見せびらかすためだけに
あたしを金で買う。


< 123 / 249 >

この作品をシェア

pagetop