幸せの天秤
エレベーターを降り下に着くと、パーティーが調度終わった後なのかロビーは人でいっぱいだ。

あたしは人の間をすり抜けながら、前に進む。


「レンリ!!」(英語)

人混みの中で、誰かに腕を捕まれて、引っ張られる。


「マ、マリア、、、、に、東条」(英語)

人混みから抜けたと思ったら、目の前にマリアと東条さんがいる。

どうして2人が目の前にいるのか、頭が混乱する。

「俺はついでかよ」(英語)

東条さんはあたしに突っ込む。

それがあまりにも自然で、笑える。

「裕太くん、、、元気にしてる?」(英語)

「あぁ。祐太の奴、仕事できる奴だよ。デザイン力もあるし、まだまだ荒けづりだけどな」(英語)

裕太くんも頑張ってるんだ。

裕太くんのこと、東条さんにお願いしてよかった。

「そっか。裕太くんのこと、東条さんにお願いしてよかった」(英語)


「レンリはどうなんだよ。この4年」(英語)

この4年、、、あたしは誰かに話せるような生活をしていない。

ただ生きていくために、あたしは心を殺して、体を売った。

「、、、、建築家として失敗したあたしに
選べる選択肢なんて何もないんだよ」(英語)


あたしは自嘲的に笑う。

「悪かった。あの時、ちゃんと説明すれば
こんな風になることはなかったのに、、、
本当にすまなかった」(英語)


そう言い、頭を下げる東条さん。

こんな風、、、って東条さんには
今のあたしはどう写っているのだろう。


可哀想な人間に見えているのかもしれない。


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