幸せの天秤
この2人といると、昔みたいに
戻れるんじゃないかって変な夢を見てしまう。

そんな期待、、、させないで。

「あたし、そろそろ帰るね」(英語)

あたしは一言言い、彼らに背を向け歩きだす。

「レンリ!!」(英語)

マリアの声に足が止まる。

「レンリが書くこと辞めても、あたし達友達だよね?」(英語)

こんなあたしのことをマリアはまだ、友達だと言ってくれる。

「絶対連絡して!待ってるから」(英語)

マリアは自分の名刺を、あたしに握らせる。

「あたし、レンリのこと信じてるから」(英語)


あたしは何も言わずに、横を通り過ぎる。


何も言えなかった。

手の中にあるマリアの名刺を見る。


たかが名刺なのに懐かしく感じさせれる。

確かにあの頃のあたしは、2人と同じ世界に居たんだ。


あたしはそっと、マリアの名刺を鞄の中に閉まった。



家に帰るとアパートの部屋の前で、酔いつぶれてる男の子が居る。

彼が居るせいで、自分の部屋に入れない。

あたしは、仕方なく彼を話しかける。


「ちょっと、ここ外ですよ」


何度体を揺らしても、ブツブツ何か言っているが会話にならない。

彼を動かすにしても、男だから女のあたしの力じゃ、ピクリともしない。

パーティーに参加したため、いつもより高いヒールのせいで足だってパンパン。

早く休みたいのに、、、。


「あれ~、綺麗なお姉さんがいる~」

なんて呑気に笑っている酒飲み。

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