幸せの天秤
2度寝して、目が覚めた頃には13時を過ぎていた。

あたしは遅めの朝食と昼食を取る。

適当にテレビを付け、ご飯を食べようとしたら、見たこともない封筒が落ちている。

中を見て見ると、物件のデザインのようだ。

「懐かしい、、、」

昔、何件のもこんなのを書いてたっけ、、、。

あたしの物じゃないってことは、彼が忘れていったものだ。


でも、彼の連絡先も知らないあたしは届けることはできない。


あたしはそのデザインに少し手直しをする。

もう、書かないなんていっておきながら、何をしてるんだろう。

でも、止められなかった。


デザインを見て書きたい衝動を抑えられない。


気付けば、近くにあった紙にいくつもデザインを書き出していた。

誰にも見せることが出来ないものなんて、ただの落書きにしか過ぎない。

だけど、書きたい、、、書いていると、落ち着く。


ご飯もそっちのけで、デザインを書いた。

何枚ものデザインが床に散らばっていく。



まだ、全然諦めきれてなんかいない。

この4年、一度も書くことなんてなったのに、、、。

この感覚をあたしはまだ忘れらていなかった。


デザインを書いているとインターホンが鳴る。

あたしは書いていた手を止め、玄関に向う。



「あの、、、封筒、、落ちてなかったですか」

玄関を開けると、今朝の彼が息を切らして立っていた。

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