幸せの天秤
「ってことは、この業界で生きてる人なんだ」
あたしは取り返すのを諦め、ソファに座ると彼も隣に座る。
「一応、、、。でも全然俺のデザインなんて使われないけどね。
会社の人たちは凄いデザイン書く奴、多いから」
彼は苦笑いをする。
「だから、羨ましい。こんなデザイン書けるのに、書かないなんて」
羨ましい、、、か。
あたしは彼が羨ましい。
書ける場所にいる彼の方がずっと羨ましいよ。
「あたし、もう年だから再就職先なんてないよ」
「年なんか関係ないですよ!デザインが良ければ、若かろうと年取ってようが。
って、認められてない俺が言うのもおかしい話ですけど」
「変な人」
彼を見ていたら、可笑しくなった。
「変な人って失礼じゃないですか。俺はちゃんとした人です」
「昨日酔いつぶれて、外で寝てたのに?」
「そ、それは、、、」
彼は言い返せないようで、黙り込む。
「ごめん。なんかあなた、面白くて」
「俺、あなたって名前じゃないです。桜庭 涼己(サクラバリョウキ)、22歳です」
ご丁寧に自己紹介される。
「涼己くんね」
「お姉さんは?」
「、、、、片瀬レンリ」
名前を聞かれて迷ったが、彼が先に自己紹介してくれたのであたしも名乗った。
「何歳?」
「女性に年聞くなんて、失礼だよ」
あたしが冗談でそういう。
「あ、すいません、、、でも、俺とそんなに変わらないでしょ?」
なんて言うもんだから、あたしは笑ってしまう。
「今年30歳のおばさんです~」
「見えない!!!」
新手のナンパかと思った。
あたしは取り返すのを諦め、ソファに座ると彼も隣に座る。
「一応、、、。でも全然俺のデザインなんて使われないけどね。
会社の人たちは凄いデザイン書く奴、多いから」
彼は苦笑いをする。
「だから、羨ましい。こんなデザイン書けるのに、書かないなんて」
羨ましい、、、か。
あたしは彼が羨ましい。
書ける場所にいる彼の方がずっと羨ましいよ。
「あたし、もう年だから再就職先なんてないよ」
「年なんか関係ないですよ!デザインが良ければ、若かろうと年取ってようが。
って、認められてない俺が言うのもおかしい話ですけど」
「変な人」
彼を見ていたら、可笑しくなった。
「変な人って失礼じゃないですか。俺はちゃんとした人です」
「昨日酔いつぶれて、外で寝てたのに?」
「そ、それは、、、」
彼は言い返せないようで、黙り込む。
「ごめん。なんかあなた、面白くて」
「俺、あなたって名前じゃないです。桜庭 涼己(サクラバリョウキ)、22歳です」
ご丁寧に自己紹介される。
「涼己くんね」
「お姉さんは?」
「、、、、片瀬レンリ」
名前を聞かれて迷ったが、彼が先に自己紹介してくれたのであたしも名乗った。
「何歳?」
「女性に年聞くなんて、失礼だよ」
あたしが冗談でそういう。
「あ、すいません、、、でも、俺とそんなに変わらないでしょ?」
なんて言うもんだから、あたしは笑ってしまう。
「今年30歳のおばさんです~」
「見えない!!!」
新手のナンパかと思った。