幸せの天秤
「、、、イ、レイ」

卓真によって、起こされる。


「腹減った」

そんな自分勝手なことで起こされたようだ。

あたしはキッチンで適当にご飯を作る。

出来た料理をテーブルに並べ、また布団に潜り込む。


「寝んの?」

「二日酔い」

「そんなに飲んでねぇだろ」


卓真がぐちゃぐちゃ何かを言っていたが、あたしは夢の中に入ってしまった。

再び起きた時には、テーブルにあった食器たちはきちんと片付けられていた。


卓真は何やら、仕事をしているようだ。

「仕事?」

「お前と違って、仕事に追われてるんだよ」


あたしは卓真の隣に座る。

よくわからない書類たちを片付けていく。


「ちゃんと目通してるの?」

あまりに早いから聞いてみる。

「あぁ」

「ホントに?」

「あぁ」

「ホントに、ホント?」

「お前しつこい」

仕事モードの卓真から冷たい視線を貰い、口を閉じる。

こう見えて卓真もちゃんと仕事してるんだな、、、。

少しだけ羨ましい、、、。


< 148 / 249 >

この作品をシェア

pagetop