幸せの天秤
あたしが落ち着くまで、卓真はあたしに肩を貸してくれた。


「お前、鼻水つけんなバカ」

「あたしの鼻水なんだから、嬉しいでしょ」

卓真は「汚な」とか、言いながらティッシュで拭く。


「何処から、始めればいい?」

「あぁ?とりあえず、客切れば?」

「、、、卓真も?」


卓真も、一応あたしのお客さんだ。

でも、卓真とはこれで終わりになんかしたくない、、、。

「何で、俺に聞くんだよ」


あたしは、卓真から貰ったお金を卓真に渡す。

「返す」

「なんで」

「卓真は客じゃないから」

卓真はお金を受け取ろうとはしない。


「客じゃないね~。なら、それは依頼金だ」

「何の」

「新店舗のデザイン料だ。
それに一度やった金、受け取るような格好悪いことできるかよ」

「何それ。ねぇ卓真、あたし達友達になれるよね?」

これで終わりなんてことないよね、、、?


「友達、、、ね」

卓真は鼻で笑う。


「これからもよろしく。片瀬レンリさん」

卓真は手を差し出す。

あたしは卓真の差し出した手を強く握り返した。


「バカ女」

卓真は笑って、あたしの頭をぐしゃぐしゃを撫でた。
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