幸せの天秤
「あぁ」

「でも、あたしの変わりなんて、彼らに取ったらいっぱいいるんだろうね」

わかってるけど、悔しい。

あたしの存在なんて簡単に替えが聞く存在だって自分でもわかってたのに。


「お前のいる場所じゃなかったんだよ。ただそれだけだ。
レイなんて人間、お前から捨ててやれ。お前はレイでもレンリ アオヤマでもない。
お前は片瀬レンリだろ。過去は変わらねんだから、振り返ったってしかたねぇよ。
悩むくらいなら、これからについて悩めよ」

「卓真のくせにムカつく」

「なんだよ。急に泣きついて来たくせに」

「泣きついてなんかいません、バカ」

また鼻で笑われる。


「今、笑ったでしょ」

「はいはい。お前もう夜中だぞ。早く寝ろ」

「おじいちゃんはもうおねむの時間だもんね」

「誰がおじいちゃんだ!ガキはさっさと寝ろ」

「ガキって何よ、バカ」

「一々、へそ曲げるな。とりあえず、時間が出来たら連絡する。
デザイン、楽しみにしてる。じゃあな」

最後は、卓真に丸め込まれた気がした。


でも、卓真の言葉にあたしは救われてる。

「あれで、性格も丸かったらいいのに、、、って、あたしもか」

1人でそんなこと言って笑った。






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