幸せの天秤
次の日、久しぶりにショッピングに出かける。

欲しいものはなかったが、マリアと東条さんが作ったショッピングモールを見たくなった。

家から電車で20分ほどの距離。


建物を見て、改めて2人の凄さを見せつけられる。

中には噴水もあって、今まで見たことのないデザインで仕上げられている。



「あれ?レンリ」

名前を呼ばれて振り返ると、スーツ姿の涼己がいる。


「涼己。仕事?」

「そうなんだよ。これから、こないだ書いたデザインの打ち合せなんだ。レンリは買い物?」

「うん、そんな感じ」

買い物と答えたものの、特に見たいショップがあるわけじゃない。


「おい、桜庭、、、、、、レンリ」

涼己と話していると、聞き覚えのある声がする。

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