幸せの天秤
マリアから教えてもらった会社と連絡を取り、一度会うことになった。


見上げる程、高いビル。


中に入るだけで、緊張する。


受付で名前を名乗ると、丁寧に社長室に案内される。

社長室に入ると、あたしと同じ年くらいの男の人がいる。


「始めまして、レンリ アオヤマさん」

そう挨拶され、座るように促された。


彼はあたしをマジマジと見て、笑った。

その笑みが、なんだかバカにされているような気がした。


「案件のことなんですけど、、、」

依頼書を出すと、彼はあたしが手にした依頼書を奪い、それを破る。


彼が何をしたいのかわからない。


「あの、、、」

「君がどんな人か気になったんだよね」


彼は真っ直ぐにあたしを見る。


「おっしゃっていることが、よくわからないんですけど」

「人の物を盗むのが、君たち親子のやり方なんだろ」

「どういう意味ですか」

君たち親子って、、、あの人のことを彼は何か知っていて言っているのだろうか。


「どうゆう意味って、そのままの意味だよ。君は面白いことを言うね」


彼は何が可笑しいのか、笑う。

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