幸せの天秤
彼の名前だろうが、作品自体はあたしが作ったんだ。

その作品を見て、喜んでくれる人がいるならそれで良いじゃないか。

そう、自分に言い聞かせる。

けど、やっぱり、、、、、悔しいよ。




あたしはそのことを考えないように、デザインに向った。

やっとのことで、依頼書を書き終えた頃、フラッと彼が部屋にやって来た。


「、、、伊藤さん。とりあえず、依頼書は全部書き終わったので、そろそろ家に帰りたいんですけど」


ここ10日、あたしはこの部屋に缶詰状態。


彼もわざわざ、部屋を出て行くたびに鍵をかつ。

あたしが勝手にいなくならないように、、、。



あたしは始め、着てきた自分の服に着替えて立ち上がる。


「何、バカなこと言ってんの」

「え?」


グイッと腕を掴まれ、キスをされる。


「開放してやるわけなじゃん。レンリちゃんはもう、僕のなんだから」

「、、、、あたしはゴーストライターの仕事は確かに受けました。
依頼書はもう、ないじゃないですか」


「だから?依頼書がないから何?僕はレンリちゃんを買ったんだよ」


彼は服の上から荒く胸を揉み出す。


女のあたしが力で、男の彼に勝てるわけがない。


「、、、やめて」


「バンッ」


彼はあたしのことを床に叩きつける。

体中がジンジンと痛い。



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