幸せの天秤
ー 相川 総 ー

俺は彼女の病室から、彼らを連れ出し空いている部屋へ案内する。

「片瀬さんのことなんですけど、、、」

「レンリはどうして、、、あんなに、、、」(英語)

俺が話出そうとすると、マリアさんが泣きながら聞いてくる。


「今、言えることは彼女は普通の精神状態ではないです。倒れて運ばれて来たのは、
知ってると思いますが、原因は栄養失調です」

「栄養失調ってことは、飲み食いしてなかったってことですか?」

東条さんが聞く。


「簡単に言えば、そういうことです。彼女を見てわかるように、痩せすぎてです。
せめて、平均体重を越えてもらわないと退院は許可出来ません」

彼らは彼女を見て同様してるのは、明らかだ。

まぁ、彼女が目を覚ましてないのに毎日のようにお見舞いに来るくらいだ。

彼らにとって、彼女は大切な存在なのだろう。


「それと、彼女は君たちのことを覚えていない」

「どういう意味ですか」

今まで黙っていた、竜崎さんが聞く。


「記憶喪失だ。日常的なことは覚えているが、今までどうやって生きてきたか、
何をしていたか覚えていない。言葉を変えると、彼女の中に人が存在していない。」

彼らは言葉を失っているようだ。


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