幸せの天秤
アメリカに居ていたのだろう。


「アメリカで何してたんですか?、、、あたし」

「、、、レンリは、、建築家として、いろんなデザインを書いてたんだよ」(英語)

マリアさんが教えてくれる。

でも、これ以上聞いちゃいけないんじゃないかと思った。

だって、マリアさんが泣いてるから、、、。

辛そうな顔をしてる、、、なのに無理して笑ってる。

あたしは彼女を傷つけてしまったみたいだ。

胸が苦しい、、、、、、。

なんで、あたしは忘れちゃったんだろう。


何を話しても、あたしはマリアさんを傷つけてしまうんじゃないかと思ったら、それ以上何も聞けなかった。

東条さんは空気が悪くならないように気を使っていて、それがあたしには苦しい。



「そろそろ、仕事に戻らないと」

先生がそう言うと、「俺も打ち合わせの時間だ」と、東条さんとマリアさんと3人は部屋を出ていく。


「また、、ね、レンリ」(英語)

マリアさんが遠慮がちにそう言う。

「あの、、傷つけてごめんなさい」(英語)


素直にそう言うと、首を横に振り帰って行った。
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