幸せの天秤
「あたしが忘れてる記憶が、彼らを裏切るような結果になったら、、、」

そうなったら、あたしは彼らと向き合えるのだろうか。


「その可能性はないとは言えない。だけど、君にとって彼らは大切な存在だと思うよ。
きっと、何も変わらない、、、君が逃げない限り」

あたしが逃げない限り、、、。



なら、彼らのことをもっと知ろう。

そしたら、何かわからないものに怯える毎日から抜け出せる?


怖い、、、怖い、、、怖い。


あたしは自分が傷付くのが怖い。


どうしたら良いのかわからない。

迷いがあたしの気持ちを惑わせる。


「そう自分のことを追い込むな。とりあえず、ご飯食えよ」

先生はそう言うと、持っていた電話が鳴り、慌てて病室を出て行った。



あたしはご飯もそっちのけに、ベットに横になる。

天井を見上げる。

ありふれた、白い天井、、、。


「疲れた、、、」

口からそんな言葉が出る。


何に対しての言葉かわからない、、、。

ただ、疲れた、、、。

体が重く感じる。


まるで、体が自分のものじゃないみたい。



こんな時は、寝てしまおう。

寝てしまえば、何も考えなくて良い。


あたしは無理やり目を閉じた。

< 201 / 249 >

この作品をシェア

pagetop