幸せの天秤
どうしてあたしは思い出せないの?

なんで、、、なんで、、、?


あたしはマリアが持ってきた書類に手をかける。

パラパラと見ていると1枚の写真が落ちた。

その写真には2、30人ほどの人が写っている。


「みんな、楽しそう」

あたしは写真の中にいる1人の男性に目が止まった。

この人、、、、知ってる。


「お待たせ~。その写真、こないだの打上の時のだ」(英語)

いつの間にか戻って来たのか、あたしが見ている写真をマリアも見る。

「みんな、ベロベロに酔って大変だったんだよ」(英語)

マリアはそんなことを言っていたが、あたしは彼から目を離すことが出来ない。



「、、、、あお」

「え?」(英語)

あたしの口から、彼の名前が出る。

なんでこの写真にあおが居るのかわからないけど、確かにあたしが見ている写真にはあおがいる。


「マリア、、、これ、あおだよね?」(英語)

「レンリ、何か思い出したの?」(英語)

「あたし、あおと付き合ってたよね?」(英語)


マリアは少し、複雑そうな顔をする。

あたしの記憶は間違っているのだろうか。



「確かに、レンリと青山は付き合ってたよ。、、、
でも、レンリがアメリカに来た時にはもう青山とは別れてた」

別れた、、、?

どうして、、、?
< 203 / 249 >

この作品をシェア

pagetop