幸せの天秤
あたしがアメリカに来たのは19の時だって、マリアが言ってた。

その頃には、あおとは別々の道を生きてたってこと?


考えても、考えても、どうしてあおと別れたのか思い出せない。

「レンリ?」(英語)

「、、、、思い出せない。どうして、あおと別れたのか思い出せない」(英語)

あおとは喧嘩なんてしたことなかったと思う。

それなのに、どうしてあたし達は別れたの?

マリアが嘘を言ってるんじゃないかとさえ、思えてくる。



「そ、それは、、、」(英語)

マリアは、何か悩んでるようだった。


「マリア、あたし、、、、あおに会いたいよ」(英語)

会いたい。

会って、あたしの大好きな笑顔で「レンリ」って呼んで欲しい。


「、、、、レンリ」(英語)

マリアは複雑そうな顔をする。

あおのことを思い出したら、無性にあおに会いたい。



でもマリアが言ったように、本当にあおと別れたのなら
あおにはもう大切な人が誰かが傍にいるかもしれない、、、、。



やっと思い出せた、記憶なのに、、、。

マリアの顔を見たら、それ以上何も言えなかった。


だってマリアが、、、泣いていたから。

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