幸せの天秤
竜崎さんは気にも止めない。


「女の子に向かって、失礼な奴」(英語)

「お前のこと女だって言う奴、東条ぐらいだと思うぜ」(英語)

「はぁ~~~?レンリ、あたしは女だよね?」(英語)


マリアは勢いよくあたしに同意を求めて来るので、頷く。


端から見たら、マリアはとても美人だと思う。



「良く好きな子に意地悪する、小学生居たよね」(英語)

ふと、思ったことを言うと、竜崎さんに睨まれ、マリアは勝ち誇ったような顔をする。


「へ~、そうだったんだ」(英語)

「あり得ないだろ。東条もよくお前みたいな奴好きになったよな」(英語)

「どういう意味よ!」(英語)

「そのままの意味だろ。東条も変わった奴で良かったな」(英語)

2人の言い合いはまるで、子供のようだ。


「意気地無しに言われたくなしに言われたくないんですけど」(英語)

「それこそどういう意味だよ」(英語)

「好きな子に、告白すら出来ないくせに」(英語)

マリアの言葉に胸がチクッと痛む。


「竜崎さん、好きな人いるんですか?」(英語)


あたしは当たり障りのない言葉で替えしたつもりだったが、2人とも急に黙り込む。



「バカ女」(英語)

竜崎さんがそう言うと、マリアはあっかんベーをした。


< 207 / 249 >

この作品をシェア

pagetop