幸せの天秤
「で、何してんだよ」

あおを待ってたなんて、言えない。


「、、、、かくれんぼ?」

「かくれんぼねぇ。じゃ、俺は鬼かよ」

鼻で笑われる。


「そんなに、そいつに会いたいか?」

竜崎さんは持っていた戸籍謄本を開き、あおのところを指差す。

竜崎さんもあおのことを知っているのだろうか?


「東条たちに聞けば、すぐだっただろ?」

こんなところで、何時間も待たなくても良かったのかもしれない。

でも、信じてみたかった。

あおがあたしのことを見つけてくれるじゃないかって。

でも、、、、あおは来てくれなかった。


「、、、、、竜崎さんは運命って信じる?」

「なんだよ。急に」


あおのことを思い出した時、あおとあたしは運命の相手じゃないかって思った。

だってあたしの中にあるあおへの想いも、あおがあたしにくれる愛も本物だって思ったから。


だから、ここに居たらわかるんじゃないかって、、、。



でも、わかったことは、、、あたしの勘違いだったってこと。


「ううん。ただ、、、キツイなぁって」

あたしは、笑う。

「無理して笑うな。泣きたいなら泣けばいい」

どうして、こんなに優しくしてくれるの?

わからないけど、、、あたしは竜崎さんに言われた通り泣いた、、、。


< 215 / 249 >

この作品をシェア

pagetop