幸せの天秤
あおは少し、複雑そうな顔をする。

「してたよ」

「、、、、、なら、なんで?」

「なにが?」

「、、、なんで、別れたの?」

あたしが本当に知りたいのは、そこだ。


あたし、あおに嫌われるようなことしたの?

あたしに愛想が尽きた?


あたしから、別れを言うわけがない。


「レンリは、、何も悪くない」

いつだって、あおは優しい。

だから、原因はあたしにあったんだってすぐにわかったよ。


「、、、あたしが、、言ったの別れようって」

あおは何も答えてくれない。

でも、それが答えだってわかった。


「お互い、若かったから」

若くても、上手くいってるところはたくさんある。



あたしはどうしてあおに、別れを告げたりしたんだろう。

あおのことが見れない、、、。


「レンリ、、、もう一度やり直さない?」

「え?」

「俺はレンリが一番大切な人だと思ってる。今でも、、、。
俺たちに取って、あの時の別れは必要だったんだよ」

そうなのだろうか、、、。


「俺、もしかしたら、ずるいのかもしれない。
記憶がないレンリにこんなこと言って、、、。
でも、記憶がないのに俺のことを覚えてて、すげぇ嬉しかった」

「、、、あお」


「今だったら、やり直せると思うんだ。幸せだったの時みたいに」

やり直す、、、。

今だから、出来ること、、、、。
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