幸せの天秤
伊藤さんの後姿を眺める。

自分はあたしとは違うと、言われてるようだ。

東条さんとあおは、関係者の人に頭を下げる。

あたしは、それをただ眺めてるだけ、、、。

思い出したことを、伝えなきゃ、、、でも、聞かれたら?

あたしはなんて答えるのだろう。


「何やってるのよ」(英語)

「ごめん。なんか、むしゃくしゃしちゃって、、、」(英語)

みんなには言えない、、、。

あたしは悟られないように、偽った。


「伊藤さんの作品、ぐちゃぐちゃ」(英語)

「良いんだよ、あいつのは」(英語)

東条さんも伊藤さんのことが嫌いなのだろうか。


「そうはいかないでしょ」(英語)

「あいつ、レンリのこと知ってるようだったな」(英語)

お願い、、、それ、以上探らないで。


「、、うん。そう言えば、レンリ今日退院だったの?」(英語)

マリアはそれ以上伊藤さんのことには触れずなかった。


「うん。おかげさまで。、、連絡しないでごめんなさい」(英語)

「そんなこと、良いのよ。退院おめでとう」(英語)

何も知らない、みんなは祝ってくれる。

でも、それが苦しい、、、。

あたしはみんなを騙してるから。

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