幸せの天秤
結局、あたしの人生の始まりはこの人からなんだ。

どんなに酷い人でも、どんなに嫌いでも、、、。


だからあたしは、あなたから逃げない。


「何よ、、、」

「ちゃんと、言いたかった。全部終わらせるために」

それだけ言い、自分の部屋に行く。

机の中に眠ったままの、あおと暮らしていた部屋の鍵。


あおと別れたまま、返せなかった。

その鍵を握り締め、公園に向った。


何一つ変わらない街並み。

まるで、昔に戻ったような錯覚をさせる。


一つ一つ、さよならを告げる。


あおがあたしを見つけてくれた、ベンチに座る。

ここに来るときのあたしは、いつも悩んで、迷ってばっかり。

いろいろ思い出して、笑える。



「レンリ」

仕事を終えてきたのか、スーツ姿のあお。

あの時も、スーツだったね、、、。

あの頃より、スーツが様になってる。


「お疲れ」

「サンキュー」と言い、隣に座る。

あおとこうやって、このベンチに座るのは初めてだね。

「ここで、、、、、あおがあたしを見つけてくれた」


あおはちゃんと覚えてる?

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