幸せの天秤
「俺たちって、子供で繋がってたのか」
違う、、、。
違うよ、あお。
「本当に好きだったから、、。だから、言えなかった。
あおのこと、傷つけたくなかった」
あおはあたしを抱きしめる。
「、、、、なんで俺は、いつも一番にレンリを見つけられないんだろう」
「、、、あお」
あおも、あの頃のまま止まったままだったの?
あたしだけじゃなかった。
あたしが曖昧なままにしたから、あおの時間まで止めてしまった。
「レンリ、、、」
抱きしめていた手が離れ、向き合う。
「泣くな」
あたしの頬に流れる涙を優しく拭ってくれる。
「レンリと会社で会った時、また戻れるんじゃないかって思った」
あおはポケットから、指輪を出す。
それは、あおがしている指輪と同じ指輪。
「レンリに渡そうと思ってた。でも帰った時、レンリは家にいなかった」
あたしのお腹から、赤ちゃんがいなくなった日のことを言っているんだ。
あおが指輪をしてるのを見て、泣いた日のこと思い出す。
あたしとの指輪だったんだ、、、。
どうして、あの時あおに伝えなかったんだろう。
そしたら、あおとあたしには別の道が合ったのかもしれない。
もう、、、遅すぎた。