幸せの天秤
卓真に抱かれた後も、1年も伊藤さんに抱かれてた。

そんなあたしでも、卓真は受け止めてくれるかな、、、?


「どうだろうな。でも、俺はお前の中身を知ってる。
だから、汚いなんて思わねぇ」

「こんなあたしが、、、また、、誰かを好きになってもいいのかな?」

「、、、いいんじゃね」

それは、卓真のことをって意味だよ?



「なんて、、、やっぱり無理だわ」

卓真は仕事をやめて、あたしのところに来る。

「、、、なにが?」

「東条みたいに、好きな女を誰かに譲れるほど、俺は人が出来てねぇ」


卓真はあたしにキスをする。

驚いて、目を閉じるのを忘れてしまう。

唇が離れ、立って居られないあたしを卓真は支えてくれた。


「俺のこと、思い出さなくてもいいから。
レンリが俺の傍に居てくれたら、それだけでいい」

卓真はあたしを抱きしめる。


そんなの嫌だよ、、、。

卓真のこと、忘れたくなんかない。



「、、卓真、好きだよ」

あたしは卓真の背中に腕を回す。


卓真はあたしの言葉を聞き、抱きしめる力が強くなる。

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