幸せの天秤
彼と付き合うようになってから、あおへの連絡は少しずつ減っていった。

それを寂しいと思う自分が居る。

彼と居ても頭の中から、あおが出て行くことはなくて、、、。

また、辛くなる。



こんな関係を続けたって彼を傷つけるだけなのに、あたしは最低だ、、、。

キスをしていても、体を重ねていても、
彼があおだったらと望んでいるあたしは大バカだ、、、。



学校の帰り道、珍しく1人で帰る。

でも、家には帰りたくなくて近くの公園で時間を潰す。



あおを忘れるために、彼と付き合いだしたのに、
あたしは何をしているんだろう、、、、。

逆にあおだったら、どうなんだろうかなんて、考えている。

そんなことを考えていると、明るかった空も傾き、真っ暗になっている。



「レンリちゃん?」


聞き覚えのあるその声に、ドキドキする。

初めて会った頃から、この声を忘れたことなんてない。

「やっぱり、レンリちゃんだ。何してんの、こんなところで」

あたしの隣にやってくる、あお。


「あおこそ、なんでここに?」


「俺は就活帰り」


スーツ姿のあおがそこには居た。

大好きなあおが傍にいる、、、。


夢なんじゃないかと、錯覚させられる。




「キスマーク」

あおは、制服から見えるキスマークを見て言う。


あたしは慌てて、隠す。


言い訳を考えるが、何を言ったら誤解が解けるのかわからない。


誤解なんかじゃないのに、、、。


昨日、彼と体を重ねたときに付けられたモノ。

あたしだって、拒むことなんてしなかった。


でも、あおには見られたくなかった、、、。

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