幸せの天秤
目が覚め、隣に居たはずのあおがいなくて、不安になる。


「あお」


小さい子供が捨てられたような、声で名前を呼ぶ。

いつから、こんなに弱い人間なったんだろう。


不安で押しつぶされそう。


部屋を見渡すと、所々に女のモノがある。


そうだよね。

あおに彼女が居ないわけないよね、、、。



あたしは脱ぎ散らかした、自分の制服を着て、アパートを飛び出した。


ただがむしゃらに走って家に帰った。


部屋に入り、自分がしてしまったことに後悔する。


あたしは、彼を裏切って、あおも傷つけてしまった。

あおの大切な人も傷つけてしまったのかもしれない。


携帯が鳴り、手に取るとあおからの着信がいっぱい入っていて、
彼からのメールもあった。

あたしは、彼にメールで別れを告げた。


すぐに、彼から着信があったが電話に出ることはしなかった。





次の日、学校が終わり校門に向うと、あおが待っていた。


あおの姿に逃げたくなったが、帰るためにはここを出なければいけない。

あたしは意を決して、校門を出ようとしたら、あおに腕を掴まれ、
引き連れられる形になりながら、昨日のアパートと同じ部屋に来てしまった。

< 37 / 249 >

この作品をシェア

pagetop