幸せの天秤
まさか、こんな形で彼と再会するなんて思いもしなかった。


何でここに彼は居るんだろう。


「この2人はここのエースの桐谷と青山だ。
お前ら、今日から新しく仲間になった、片瀬さんだ」


あたしは平然を装うのに、必至だった。


彼もまた、あたしに気付き、驚いてるようだった。


あたしと彼はもう関係のない人間。


「今日から働くことになりました、片瀬レンリです。よろしくお願いします」


挨拶する。


「桐谷翔太です。レンリちゃんって言うんだ、よろしくね」

少しテンションの高い、爽やかイケメンに言われる。


「青山、お前も挨拶しろ」


部長が、何も言わない青山に促す。


「青山陸人です」


彼は促されるまま、自己紹介をした。


「で、部長。レンリちゃんはどっちの班に入るんですか」


桐谷さんは部長に聞く。

「班って何ですか」


班について解らず、質問をした。



「片瀬さんにはまだ、何も説明してなかったね。
うちの部署、桐谷班と青山版があって、2人共優秀は優秀なんだけど、
デザインが合わないから別々に作って貰って依頼者が気に入った方を形にしてる」



部長が説明する。

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