幸せの天秤
外に出ても、涙が止まることはなくて、、、。

あおのところを出たところで、帰る場所なんてない。


最後の最後まで、あおは優しすぎるよ。




数ヶ月ぶりの実家に戻ってきてしまった。

妊娠がわかって、もう母親を顔を合わせることなんてないと思っていたのに。


母親はあたしが帰っても、何も言わなかった。


相変わらず関心がないんだろう。



自分の部屋に入り、ただただ泣いた。



泣くことしか、あたしには出来なかった。





何日も何日も部屋に閉じこもり、ご飯もお風呂も、睡眠もせずに、
抜け殻のように生きてるというよりは死ねなかっただけだ。


そんなあたしに痺れを切らし、母親が部屋に入って来た。


「いつまで、そうやって居るのよ。勝手に妊娠して、結婚したと思ったら、
離婚して帰ってきて。ホント、恥さらしだわ」


勝手にって、あたしを見てくれなくなったのあんたの方じゃない。


あたしの中で何かがキレた。


今まで何を言われようが気にしなかった。

あたしは部屋にあるものを母親に向って投げつけた。

狂ったように、暴れた。


あたしがそんなことをするとは思って居なかったようで、慌てて部屋を出て行った。


締められた部屋のドアが、あたしと母親の壁にしか見えなった。



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