幸せの天秤
「もしもし」(英語)

あたしは、マリアの電話した。

「クライアント、どうだった?」(英語)

「OKもらえたよ」(英語)

「良かった~。どんなに自信作でも、
クライアントのOKが出ないうちはやっぱり不安なのよね」(英語)


マリアならそんなことを気にしなくても、大丈夫だろう。


「ねぇ、マリア、、、。
勝手だってわかってるんだけど、アメリカに戻っちゃダメかな」(英語)


そう、あたしが出した答えは、日本を離れるということ。

環境が変われば、前みたいに戻れる。

そんな気がしたんだ。

過呼吸とも、お別れできるんじゃないかって。




「東条には、話したの」(英語)

マリアの声のトーンが変わった。

「、、、ま、まだ」(英語)

「日本に来るのを望んだのは、レンリよ。あんなに止めたのに」(英語)

マリアは何度も、アメリカに居るように説得をしてきた。

でもそれを聞かないで、あたしは日本に来ることを選んだんだ。


「あたし、マリアと仕事して思ったの。もう少しマリアの傍で勉強したいって」(英語)

それは、嘘じゃない。

今回のデザインを見て、マリアは凄いと思った。

マリアには敵わないって、、、、。


「あたしがレンリに教えることは、もう何もないんだけど」(英語)

マリアならアメリカに戻りたいって行ったら、喜んでくれると思ってた。

そのマリアから、拒絶された。


都合が良すぎるのはわかってる。

でもこっちに居て、あたしはどうしたらいいか、わからない。


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