幸せの天秤
気付けば、お昼時間になっていて、デスクに残っているのは数人程度。

特にお腹も空いていないし、とりあえず煙草でも吸いに行こう。


会社の喫煙ルームに向う。



「あれ、期待の新人ちゃんじゃん」


向かっている途中、同じ部署の女の子たちに絡まれる。

どうも和気藹々という感じではない。

「何かようですか」


あたしの態度が気にくわなかったのか、舌打ちされる。


人が通って居るのに、誰もあたし達には目もくれない。



この会社ではこれが当たり前なのだろうか。


「ねぇ、あんま調子乗らないでくれるかな」


言葉は優しく聞こえるが、態度とは裏腹だ。


「部長のお気に入りにどうやってなったの?」


「もしかして、もう寝たの?」


彼女たちは、くすくすと笑う。


黙って居ると、次々に身に覚えの無いことを言われる。



「そんなことしないと、ここでは仕事取れないんですか」



あたしは歩みを進めようとしたら、腕を捕まれた。

__バシッ__

ジンジンと頬が痛み出す。

殴られた。




「気が済みましたか。あたし忙しいんで」



あたしは、その場を後にした。





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