幸せの天秤
マリアはあたしの態度に、ため息を漏らす。

「仕方なったんでしょ」(英語)

あたしにだけ聞こえるように言う。


あたしは頷く。


「あんたに、レンリの何が分かるって言うの。それにここは職場よ。
私情を持ち込むなんて社会人としてどうなのかしら」(英語)

マリアは英語で言うので、ひよりちゃんは分かっていないようだ。

マリアはそれに気付き、部長に通訳するように言う。



部長の通訳を聞き、ひよりちゃんは何も言えないようだ。

「青山、マリアの言い分は最もだ。会社に私情を持ち込むな」

部長にまで言われて、ひよりちゃんは怒って帰って言った。



「東条がレンリのこと任せろって言うからここの会社に入れたのに、
これはどういうことよ。レンリをここにやったのは間違いだったのかしら」(英語)


マリアは部長にあたる。


「今回のことは予想外だ。レンリと青山の関係なんて知らなかったしな」(英語)

確かにあたしとあおの関係を知らない部長に、どうしろ、って言うのだろうか。


「知ってる、知らないじゃなくて、
会社に私情を持ち込むような、教育してることに文句を言ってるの。
レンリは日本じゃ、5本の指に入る建築家よ。
そのレンリをわざわざ、日本にやったっていうのに」(英語)


「わかった、わかった。他の奴らの仕事だってある。
場所を変えて話しよう。レンリも来い」(英語)

「青山お前もだ」


部長はあたしとあおを呼び、話をしようと言って来た。

「会議室開いてるか?」

部長はそう事務の子に聞き、空いてる会議室で話し合うことを決めた。





「レンリ、顔冷やしてきなさい。後になるから」(英語)

4人で移動中にマリアに言われる。


「でも、、、」

自分のせいで迷惑を掛けて時間も割いてもらってるのに。


「いいから言って来い。これ以上マリアの怒り逆なでするな」

部長にまでそう言われたので、あたしはトイレに向った。





< 75 / 249 >

この作品をシェア

pagetop