幸せの天秤
分かりたくなんか、、、、、ない。

けど、全部今更なんだよ。


あたしは失くさなきゃ、気付けないなんて大バカだ。

失くした後じゃ、取り戻せないものだってあるのに、、、。


このままここから消えられたら、どんなに楽になれるんだろう。




どうしたら、この渦の中から抜け出せるんだろう。

頑張ろうと思えば、すぐに何かに躓く。



「あたし、とことん神様に嫌われてるんだな」



あたしはひよりちゃんに叩かれた頬に手を置く。

自分の手が冷たいせいか、やけに熱く感じた。


あんな風に素直に感情を出せる彼女が羨ましい。



自分の感情を殺して生きてきたあたしには絶対に出来ない。


それは年を取るごとに、偽りの自分を演じてばかり。

何処で引き返せなくなってしまったのかもわからない。




あたしは、軽く水で冷やし、みんなが居る会議室に向った。

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