おいしいみるくのつくりかた!
ぐおっと唸ってしゃがみ込むハル。
陽子はそれを見下しながらふふん、と鼻で笑った。

「やったなーおりゃっ」
「ふぎゃあっ」

立ち上がったハルが陽子を抱きかかえて(俗に言う、お姫様抱っこだ)、ダイニングをあとにした。
向かう先は、彼の寝室である。

「ちょっと、何する気よ!」
「なに、って・・・ね?」

妖しく笑みを浮かべるハルに、陽子はさっきとはまた別の意味で顔が火照った。

「あ、明日仕事だから、あんまりされると、駄目なんだけ・・・ど」
「え、俺は普通に添い寝しようかな、って思っただけなんだけど?」
「え・・・っ」


私、完全敗北!敗者復活戦もなし!

陽子が不埒な妄想をしていたことを分かっている彼は、にやにやしながら階段を上っていく。

「お望みなら、する?」
「や・・・その、仕事がない日に、とか・・・駄目?」
「ん、じゃあ明後日な」

楽しみにしてろよ、なんて耳元で囁かれるから、たまったものじゃない。


< 9 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop